オウンドメディア記事はこう書け!中小企業担当者のための実践ガイド

上司

「我が社のオウンドメディアを立ち上げる。運用は君に任せたい」

このページをご覧のあなた、もしかすると上司の方からこんなことを言われてしまったのではありませんか?最近はオウンドメディア作成を考える中小企業が増えており、あなたのように悩みを抱える方が急増中のようです。

結論、闇雲に記事を書き始めても成果は出ません
まずは「誰に・何を・どう届けるか」の型を押さえること。

本記事は、中小企業の担当者が“今日から記事を書ける”ようにする実践ガイドです。オウンドメディアの記事の書き方(検索意図→リサーチ→構成→本文→公開後改善)を、最短手順で示します。読み終えれば、最初の1本を迷わず公開し、次の一手まで決められます。

<この記事で分かること>

  • キーワードを軸にした 記事設計の型
  • 上位10本の読み解き方 と差別化の作り方
  • 初心者へ本当に伝えたいサイト成功への道

※所要時間の目安:5分で全体像 → 30分で初稿の骨子 を作れます。

オウンドメディアと従来型企業ホームページの違いとは?

これから作るオウンドメディアとはどんなものか?従来型の企業ホームページとの違いは?まずはこれらを理解してから、全てをスタートさせましょう。

従来型ホームページは静的な公式情報発信の場

従来型の企業ホームページは、会社概要や製品情報、問い合わせ先などを中心に掲載したもの。更新頻度は低く、一度公開した内容を長期間そのままにすることが多いです。御社のホームページも同様の状態ではないでしょうか?

閲覧者は情報を求めてサイト内を回遊しますが、答えが見つかればすぐに離脱します。継続利用は期待しずらく、関係構築には程遠いのが現実です。ホームページからの問い合わせ、実際のところほとんど来てませんよね?

オウンドメディアで動的に情報発信・集客を!

オウンドメディアは定期的に新しいコンテンツを発信し、読者の興味を引き続けるメディアです。記事や動画、インタビューなど多様な形式で企業の価値を伝え、ファン化や見込み顧客の獲得を狙います。SEOやSNS拡散など、ネットの力を最大限に活用し、外部集客チャネルから新規アクセスを呼び込みやすいのも強みです。

目指すは、御社と顧客の双方向のやりとり、そして囲い込みです。

初心者がまず押さえるべき基本ステップ

オウンドメディアの作成を外注化できないのであれば、あなた自身が頑張らねばなりません。とはいえ、初心者が最初から何もかも出来るわけがありません。あなたが、まず手を付けるべきは何なのか?についてお話します。

テキスト・動画 我が社はどんなメディアにすべき?

可能であれば、メディア形式はターゲットや売りたい商品・サービスに合わせて選ぶのがベスト。知識系や情報系の共有が中心ならテキスト(ブログ)、商品の使い方紹介や社員紹介なら動画が有効です。

100%オンラインのみの施策が馴染まない業種・地域・店舗の場合、オウンドメディアにこだわりすぎず、リアルイベントや店舗連動をネットと組み合わせる“オンオフ二刀流”なども検討すべきかもしれません。来店者へのLINE登録誘導などが定番ですね。

結論:最初はテキストベースから始めよう

あなたが上級者であったり、予算が潤沢で外注が出来るなら、上記を踏まえて御社の商品・サービスにあった形式でスタートして下さい。

ですが、初心者のあなたが自力でスタートするのであれば、最初はテキストベース一択です。テキスト記事は制作コストを抑えつつ、SEOからの自然流入が期待できます。文章量やキーワードを意識すれば、検索エンジンで上位表示を狙いやすいのも魅力です。

また将来的に動画メディアへ進出するにしても、テキスト記事は動画台本の原型として活用できます。何より記事を書き続けることで、あなた自身の商品・サービスへの理解は目覚ましく成長することでしょう。最初は大変かもしれませんが、まずは週1~2本の更新を目標に、記事作成に慣れていって下さい。

オウンドメディアを作る媒体は?

媒体は既存の自社サイトの延長、新規ブログサービス、どちらでも大丈夫。

ただ、自社ドメインで運営すると信頼性やSEO効果が高まるので、可能なら自社サイト内に設置するのがおすすめではあります。その場合は、現行の自社サイトを作られた担当者様、あるいは外注先様とご相談下さい。

CMS(WordPressなど)を導入して、新たにブログを立ち上げるのも決して難しいことではありません。現行ホームページの外注先を通すと、余計な費用を請求されてしまうなどの問題が発生することもあるでしょうし、オウンドメディアを新しい媒体でスタートするのもご検討下さい。

大切なことは、担当者であるあなたが、日々継続できる環境で始めること。

このあたりの詳細は、説明を始めればキリがありません。機会がありましたら、複数記事にわけてじっくりとお話させて頂ければと思います。

記事作成はキーワードに始まりキーワードで終わる

web記事やブログ記事にとって、キーワードが大切だというのは、どこかで耳にされたことがあるかもしれません。ただ、選んだキーワードを元に記事を書くというのは、具体的にはどうすれば良いのか?ここではキーワードについて、掘り下げてみたいと思います。

キーワードは訪問者と御社を繋ぐ細い糸

どれだけ読者に有益な記事を書いたところで、検索結果に出てこなければ存在しないのと同じです。読んでもらうためには、読者がキーワードで検索したときに、検索結果の上位に御社の記事が表示されなければなりません。検索結果の後ろの方に表示されたとて、存在しないのと同じなのです。

つまり、読者が気になるキーワードに即した有益な記事を書かねばならないということ。キーワードが読者と御社を繋ぐ細い糸、というのはそういう意味。

読者が検索窓に入力するキーワードと、これから書く自社記事の内容を一致させる意識を強く持たねばなりません。

実践的なキーワードの選び方

例えばあなたが、地方のお菓子製造会社の社員として、通販誘客目的のオウンドメディアを作るとします。その際、あなたは自社で一番売れる「どら焼き」1語をキーワードにしたいかも知れません。ですが、それは無謀というもの。

通販してでも最高に美味しいどら焼きが食べたいたくさんの人が、「どら焼き」1語で日々検索するボリュームは非常に大きいことでしょう。ただ残念ながら、ライバルが多すぎます。「どら焼き」を売りたい企業は、全国にいくらでもいるのです。少なくとも初期段階においては、あなたの記事は上位表示されません。書いても、存在しないのと同じなのです。

そこで、2語キーワード・3語キーワードの出番です。「どら焼き 詰め合わせ」のように、2つの言葉を検索窓に入れるタイプのキーワードです。これなら日々の検索回数も減り、ライバルも同様に少なくなります。駆け出しのオウンドメディアでも、勝てるチャンスが出てくるのです。

それでは、そういったキーワードを実際にどう見つけるのか?についてお話します。

Googleキーワードプランナーでキーワード選択

Googleのサービス「キーワードプランナー」を使います。
https://ads.google.com/intl/ja_jp/home

このサービスは、Googleに広告を依頼する企業のために、どのキーワードがどの位の頻度で検索されるかを示してくれるもの。ここでキーワード「どら焼き」を調べてみると…

キーワード候補と、大まかな検索ボリュームを見ることが出来ます。この候補の中から、あなたがこれから書く記事のキーワードを選ぶのですが、その際に指標とすべきなのが、検索ボリューム。この数字が大きければ大きいほど、検索する人が多いけれど、ライバルも多いレッドオーシャンキーワードということ。

ちなみに、この画像内の「1000~1万」という数字は、初心者のあなたには大きすぎます。このあたりのキーワードを採用しても、上位表示されるのは難しいということ。最初のうちは、100〜500程度のミドルワードを探しましょう。このくらいの数字ならば、検索者は少ないけれど、検索上位に表示される確率がぐっと上がります。

もどかしいかもしれませんが、どんなビッグなオウンドメディアも、こういったところからスタートするものなのです。

検索上位サイトのリサーチ方法と、その活かし方

記事のキーワードが決まったから、それを元にさっそく記事を書き始めてしまいますか?これは真面目な人ほど陥りやすい、典型的な失敗パターンです。キーワードが決まったら次に何をするべきか?それは、検索上位サイトのリサーチです。

検索結果上位10記事を読み込む

まずは対象キーワードで検索し、上位10記事を一通り読み込みます。あなたが選んだキーワードの検索結果として、Googleに選ばれたのが、この10記事なのです。同じように上位表示を狙うならば、これらの記事を蹴散らさなければなりません。

漫然と眺めないで下さい。時間をかけて読み込み、読者が何を知りたくて、解決したくて、このキーワードで検索したのかをイメージするのです。上位10記事を読み込めば、自然とわかるはず。あなたの書く記事が、検索上位に上がるか否かが、ここのリサーチにかかっています。時間を取って研究し、先行記事の良いところ・悪いところをしっかりと確認してください。

情報不足や説明の抜けを探す

あなたは、これから書く記事の内容についてはプロフェッショナルのはず。何となく先行記事を読んでいるだけでは、言葉足らずや説明不足を脳内で補完してしまうかも知れません。が、それは厳禁。サイト訪問者は、確実にあなたよりも記事の内容を理解していません。自社の見込み客が持つ知識レベルを想定し、専門用語の説明漏れや具体例の不足を洗い出してください。

検索上位記事を参考にしつつ、自社の顧客ターゲット層にとって不足している情報を追加した記事を書くことで、より満足度の高い記事を作ることが出来るのです。

上位記事のコピーは厳禁です!

ここまでの説明で、もしかすると上位記事の内容を盗用するのかと勘違いされた方がおられるかもしれません。当然ですが、それは絶対にやってはいけません。法律やモラル的にダメなのは言うまでもありませんが、Googleはコピーコンテンツには非常に厳しい態度を取ります。既存上位記事を盗用したとしても、絶対にあなたの記事が浮上することはあり得ません。記事本文は必ず自力で書きましょう。

ですが、参考にするべき部分も存在します。それは全体の構成。記事内にある大小の見出しは、徹底的に参照させて頂きましょう。上位10記事を俯瞰してみてみると、構成が似通っていることが分かってきます。Googleは、そこで見えてきた構成を正しいと考えているからこそ、上位表示させたと判断して構いません。ならば、それを採用しない手はないのです。

そのGoogleに選ばれた構成の型に、先ほどみつけた上位記事の不足をつけ足すのです。新入りオウンドメディアの記事でも、上位表示の可能性がぐっと現実的になってくるでしょう。

顧客にとってオンリーワンの記事を作ろう

ここまでのメソッドを活用しただけでも、良い記事は作れます。大企業のオウンドメディアならば、それで良いかも知れません。ですが、中小企業ならばもうひと味付け加えたい。それは、社屋や工場のありのままの姿、あなたを含めたスタッフの息遣い。中小企業は、顔の見える泥臭さで勝負するべきです。

webサイトの世界は平等です。大企業も中小企業も、分け隔てなく同じブラウザで見ることが出来ます。だからこそ、つい大企業の真似をしたくなる気持ちはわかります。デザイン的にも内容的にもカッコいいオウンドメディア、憧れますよね。ですが、中小企業がそこを目指しても、同じ場所に辿り着くことは非常に難しい。大企業は莫大な予算をかけて、自分たちのオウンドメディアを作っているんです。

中小企業のオウンドメディアで、一番大切なもの。それは書き手の商品・サービスに対する熱に他なりません。中途半端な予算で気の利かない業者に外注するくらいなら、多少稚拙な文章でも、熱のこもった愛のある記事、読者の役にたつ記事をバンバン出していった方が、何百倍もいい結果が出るのは間違いありません。

webサイトの世界でナンバーワンになる必要はありません。あなたの未来の顧客にとって、オンリーワンと思ってもらえる記事を作りましょう。

初心者に伝えたい“本当の成功への近道”

最期に、当サイトから初心者であるあなたに本当にお伝えしたいことをいくつかお話します。とても大切なことばかりです。ぜひ何度も読み返して、御社の成功に役立てて下さい。

売り上げは後から付いてくる!

企業としてオウンドメディアを作るにあたって、上司から、あるいは自分自身でも、とにかく早い段階で『売り上げ』という成果が欲しくなるのは痛いほど分かります。ですが、最初からそこを狙っても、あまりいい結果を産むことは無いでしょう。

オウンドメディア作りというものは、特に初期段階においては購買意欲の低い層にリーチする土台作りであるという割り切りが必要です。初期段階でいきなり売上に繋げようとすると、ついつい無理なセールストークになりがちです。売り込み色の強すぎるサイトなんて、早晩閑古鳥が鳴くのは目に見えています。

急がば、回れなのです。

まずは「読まれる記事」を増やすことを目標とせよ!

訪問者さんが読みたい記事、訪問者さんに役立つ記事を、次から次へと出していきましょう。記事が読まれることで、企業の認知度とコンテンツ評価が向上します。そうして Google検索から継続的に流入がある状態を作ることで、ますます検索評価が高まるのです。

こうして好循環が発生し、訪問者さんの数が増えてきたら、いよいよ次の段階に進むときです。

記事増加→内部リンク→ランディングページへ!

更新本数を増やしつつ、関連性のある記事同士を内部リンクで繋ぎます。 サイト構造が整理されると、SEO評価も高まりやすくなります。 御社の商品・サービスに興味のある方が、次から次へとオウンドメディアのページを回遊し、ファン化と囲い込みが進んでいきます。

いよいよランディングページへ誘導すべきときが来ました。

全体像をお話しすると、最初は情報記事で読者を集め、中盤以降は専門性や深掘り記事で信頼を醸成します。 最後に関連LPへ内部リンクを貼り、問い合わせや資料請求へ自然に誘導するのです。 「枝記事×幹LP」のサイト構造を設計することで、導線がスムーズになることでしょう。 

ここまで来れればもう大丈夫。立派な御社の販売チャンネルの完成です。

継続こそ最大の武器なり!

売り上げが出せるようになっても、油断は厳禁です。オウンドメディアは更新をやめると順位が下がることが多いのです。 中小企業こそコツコツ継続し、情報の鮮度と量で他社を圧倒しましょう。 古くなった記事はリライトし、他サイトのいいところは常に柔軟に取り込んでいくのです。

オウンドメディア作りは終わることのないオペレーションです。常に記事作成、常に改善を継続できる体制づくりが、長期的な成功の鍵となるのです。オウンドメディアはまだまだこれから大きな伸びしろがあります。ぜひあなたの手で、あなたの会社の自慢の商品・サービスを世に送り出して下さい!

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